CPU専門用語辞典
以下では Intelの「Core 2 Duo」を例にCPUの説明をしています。あらかじめご了承下さい。
サンプル画像:ドスパラの商品紹介画面(CPU)(画像をクリックすると拡大表示します)
注)「:」の左側が専門用語(名称)、右側が一例となっています。
●CPU:Core 2 Duo
CPUとは、Central Processing Unit(中央演算装置)の略。コンピュータ上でのすべての処理を行なう重要なパーツです。性能をあらわすものとして「CPUクロック」(単位:GHz ギガヘルツ)があります。基本的にCPUクロックが高いほど高性能そして高価格となります。
メーカーについては、Intel(インテル)およびAMD(エーエムディー/Advanced Micro Devices)の2つが主流。
種類については、インテルのCPUでは「Core 2 Duo(コアツーデュオ)」が現在のメイン。その他、Pentium 4(ペンティアム・フォー)、Pentium D(ペンティアム・ディー)、CeleronD、Core Duo、Core Solo などがあります。また、Xeon(ジーオン)というワークステーション・サーバ向け(当然、初心者向けではない)もあります。
一方、AMD のCPUでは、Athlon(アスロン)64 FX、Athlon64 X2、Athlon64、Sempron(センプロン)、Turion64(テュリオン64)などが主流。また Opteron(オプテロン) というワークステーション・サーバ向けCPUもあります。
●プロセッサー・ナンバー:E6300
これまでの478 ピン・パッケージ版プロセッサでは「クロック周波数」などが違いの目安となっていました。しかし、新しいプロセッサ(775 ランド・パッケージ版プロセッサ)から「プロセッサー・ナンバー」という表示方法になりました。これは『動作周波数以外にもマイクロ・アーキテクチャの種類、キャッシュ容量、フロント・サイド・バス、その他インテルのテクノロジなどの機能セットを反映したもの』だそうです。
プロセッサー・ナンバーとは、同一のプロセッサ・ファミリ (例:インテル(R) Pentium(R) 4 プロセッサ・ファミリ) 内、およびプロセッサー・ナンバーの先頭の数字が同一のもの (例:5xx) どうしで、プロセッサの全体的な機能の違いを表すもの。つまり、同一プロセッサ・ファミリ内での相対的な機能の違いを表すもので、逆にいえば、異なるプロセッサ・ファミリ間で数値を単純比較することはできないといえます。
例えば、プロセッサー・ナンバー 710 と 510 を比べた場合、7 の方が 5 よりも数字が大きいという理由で単純に 710 の方が優れているとはいえないわけです。
詳しくは、インテル・プロセッサー・ナンバーについて(インテル社のページ)を参照して下さい。
各プロセッサの具体的な違いについては、結局のところ、インテル・プロセッサー・ナンバーの詳細(インテル社のページ)で確認することになりそうです。
※ちなみに、AMDには同様の表記として「モデルナンバー」というものがあります。
●動作クロック:1.86GHz
動作クロックとは、コンピュータ内部の各回路間で処理の同期を取るためのテンポのこと。「クロック周波数」「動作周波数」あるいは単に「クロック」とも呼ばれます。基本的にはこの数値が大きくなるほど、パソコンの性能は向上します(もっとも、最新のデュアルコアCPUでは、それまでのシングルコアCPUに比べて数値が下げられていますが)。
●形状:LGA775
形状(ソケット)とは、CPUを取り付ける部分のこと。CPUの種類によって形状が異なるため、名称にも種類があるわけです。形状の表示はマザーボードにあります。当然、同じソケット形状のCPUとマザーボードを選ぶ必要があります。インテルの場合、新しいものでは「LGA775」などがあります。一方、AMDでは「Socket939」「SocketAM2」などがあります。
●コア
コアとはCPUの中心にある四角いチップ。同じ動作周波数でもコアが異なる場合があります。例えば、Pentium 4 2.8C GHz のコアは Northwood(ノースウッド)。しかし、Pentium 4 2.8E GHz のコアは Prescott(プレスコット)です。コア内部のキャッシュメモリの総量が異なるなど、性能的にも違いがあります。マザーボードによっては Pentium 4 対応 とあっても「Northwood only」と、コアが限定されているものもあるようなので、チェックしておくと良いでしょう(といっても、1種類しかない場合には、コアの名前が明示されなかったりもしますが)。
ちなみに、2006年10月現在では、Core 2 Duoの場合、2次キャッシュ=4MBタイプがConroe(コンロー)、同2MBタイプがAllendale(アレンデール)というコア。その他、INTELでは「CedarMill(シダーミル:Pentium 4:シングルコア)」「Presler(プレスラー:Pentium D:デュアルコア)」「Yonah(ヨナ:Core Duo:モバイル向けデュアルコア)」などがあります。
●2次キャッシュ:2MB
CPUと外部とのデータ通信を効率化するための専用メモリ。基本的にはこの数値が大きいほど、CPUの性能は向上します。
●FSB:1066MHz
FSBとは、Front Side Bus の略。「システムバス」や「ベースクロック」ともいわれます。CPUとマザーボード間の通信速度のこと。基本的にはこの数値が大きいほど、パソコンの性能は向上します。同じ動作速度でも型番の違いにより、FSBが異なる場合があります。
マザーボードの仕様にも FSB の項目があるので、同じ FSB に対応したマザーボードを選択しましょう。
●TDP(ティーディーピー)
TDPとは「熱設計電力:Thermal Design Power」の略。設計上想定されるマイクロプロセッサの最大放熱量のこと。この数値が低いほど、発熱量が低いことになり、良いプロセッサといえる。
●CPUファン付属
CPUファンとは、CPUが動作中に発生する熱を冷ますためのファン。ヒートシンクとも呼ばれます。リテール品(ボックス品。保証付の製品)のCPUにはあらかじめセットされているようです。別売りのものもあり、ファンの回転音などが気になる場合は、静音設計のファンに交換するという手もあります。
●ステッピング
ステッピングとは、ステッピング番号のことで、インテル マイクロプロセッサ製品の設計または製造に関する改訂データを表します(たとえば、ステッピング 4 など)。つまり、同一コアでも生産途中で発熱・消費電力などを改善するために設計が変更されている場合があり、それを示すのがステッピングナンバーというわけです。
●Hyper-Threading(HT)
HTテクノロジ(=ハイパー・スレッディング・テクノロジ(Hyper-Threading Technology))のこと。Intel社が2001年8月に発表した、マイクロプロセッサの高速化技術。プロセッサ内のレジスタやパイプライン回路の空き時間を有効利用して、1つのプロセッサをあたかも2つのプロセッサであるかのように見せかける技術。詳しくは、IT用語辞典 e-words の説明あるいはインテルのWebサイトの説明を参考のこと。
※インテルのページにあるタクシーの比喩(たとえ話)による説明がわかりやすいです。CPUをタクシーに例えると、従来の場合、複数のお客さんを別々に運ぶやり方。つまり、座席に空きがある=効率が悪いことになります。一方、HTテクノロジとは複数のお客さんを「相乗り」させて運ぶやり方。この場合、座席の空きが少ない=効率が良い、ということになります。(なお、「HTテクノロジー」とするより「HTテクノロジ」と表記するのが厳密にいうと正しい?)
●NXビット【NX bit】
「No eXecute bit」(NX bit:エグゼキュート・ディスエーブル・ビット)機能のこと。NXビットとは、悪意のあるプログラムが不正なメモリ領域を使用することをハードウェアで防ぐことが可能なセキュリティ技術。Windows XP Service Pack 2のデータ実行保護機能(DEP)と連携し、バッファオーバーランを悪用するウィルスの感染を防ぐことができる。(PCwatchのページより引用。詳しくは「エグゼキュート・ディスエーブル・ビットとエンタープライズのセキュリティー(インテルのページ)」を参照のこと)
AMD社のAMD64アーキテクチャを搭載したAthlon 64などのプロセッサのほか、Intel社のAMD64互換機能であるEM64Tを搭載したプロセッサで利用できる。実際に利用するにはOSの側での対応が必要で、Microsoft社のWindows XP Service Pack 2(XP SP2)などが対応している。(e-wordsのページより引用)また、インテルの場合は、CPUのプロセッサー・ナンバーの末尾が「J」のものは「No eXecute bit」(NX bit)機能が有効であることを示す。
●EM64T
Extended Memory 64 Technology(エクステンデッド・メモリ 64 テクノロジ)の略。EM64Tとは、Intel社が同社の32ビットマイクロプロセッサに組み込んでいる64ビット拡張機能。AMD社の「AMD64」とほぼ同等の機能。
IntelのEM64Tは64bitメモリアドレスに対応する技術で、4GB以上の物理メモリを利用可能にするほか、64bit OSを稼働させることができる。
詳しくはe-wordsのページを参照のこと。
●EIST
Enhanced Intel SpeedStep(拡張版 Intel SpeedStep/エンハンスト インテル スピードステップテクノロジ)の略。EISTとは省電力機構のこと。システムへの負荷状態に応じてリアルタイムに電圧とクロックを切り替えることにより、消費電力を抑えるというもの。モバイル向けCPUのPentium Mなどでも採用されている。(AKIBA PC Hotlineのページ参考)
詳しくはe-wordsのページやインテルのページを参照のこと。
●バーチャライゼーション・テクノロジ(VT)
「Virtualization Technology(バーチャライゼーション・テクノロジ)」機能とは、対応したチップセット/BIOS/バーチャル・マシン・モニター(VMM)/OSなどを搭載したパソコンで利用できる仮想化技術。単一のOSでも複数のパーティションや“コンテナ”を設定できるのが特徴。
企業で利用すれば、エンドユーザーの作業を中断したり重要なアプリケーションに変更を加えたりせずに、パソコンの一部を制御してセキュリティー機能や管理機能を実行することが可能となる。
そのほか、1台のパソコンに複数のパーティションを作成し、新しいOS環境を導入することで、現行アプリケーションのサポートを提供しながら、新しい環境でテストを行なうといったことが可能になるとしている(「インテル、ハードウェアによる仮想化技術に対応したデスクトップ向けプロセッサー『インテル Pentium 4 プロセッサ 672』など2製品を発売」より引用。詳しくは「インテル バーチャライゼーション・テクノロジ - インテル・テクノロジ & リサーチ(インテルのページ)」を参照のこと)。
●製造プロセス(プロセスルール)
チップを製造する際の配線の細かさを示すもの。半導体は非常に細かい製造プロセスで設計されており、これが細かくなればなるほど、同じ面積でも多くの要素を詰め込めるようになる。逆にいえば、同等性能のチップであれば、製造プロセスが細かくなるほど、チップ自体のサイズを小さくできることになる。
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