PCケースの選び方
PCケース選びの流れは、以下の通りです:
- PCケースの大きさ(フォームファクタ)を決める
- PCケースのスペックをチェックする
以下、順を追って説明します。
PCケースは、パソコンの「拡張性」を左右する重要なパーツ
PCケースとは、マザーボードやHDD・SSD・光学ドライブ・電源など、パソコンに必要な各パーツを搭載するために必要な、文字どおり「箱」のこと。
PCケースの大きさ(サイズ)によって、搭載できるパーツの種類や数が決まります。その意味では、パソコンの「拡張性」を左右する重要なパーツです。
PCケースには多くの製品があり、さまざまなデザイン・機能を持つ製品から好みのPCケースを選べるのが、自作パソコンのメリットといえます。
大きさ=フォームファクタの種類
PCケースの大きさは「フォームファクタ」という規格に沿って設計されています。フォームファクタの種類にはマザーボードと同様に、ATX・Micro-ATX・Mini-ITX(ミニ・アイティーエックス)などがあります。
フォームファクタはマザーボードと共通のため、PCケースとマザーボードのフォームファクタが異なると互いの大きさが合わず、マザーボードをPCケースに組み込むことができない場合があります。
ただし、ATXのフォームファクタには「下位互換性」があります。ATX仕様のケースなら、よりサイズの小さい Micor-ATX または Mini-ITX のマザーボードも取り付け可能です。
PCケースのスペック一覧で「対応ファクター」の項目をチェックして、購入を検討しているマザーボードのフォームファクタに対応しているかどうか、確認してください。
※ちなみにATX仕様のPCケースを「ミドルタワー型」、Micor-ATX仕様のPCケースを「ミニタワー型」と呼ぶこともあります。
ドライブベイの名称と役割
PCケースに各ドライブを取り付ける部分を「ベイ」といいます。「フロントベイ」と「シャドウベイ」の2つがあります。
フロントベイとは、外側から確認できる(見える・使う)ドライブを取り付ける空間。「5インチ」「3.5インチ」の2種類があり、光学ドライブやカードリーダーなどを取り付けるのが一般的です。
一方、シャドウベイとは、外側から確認できなくてもよいドライブを取り付ける空間。HDDを取り付ける「3.5インチ」のほか、SSDを取り付ける「2.5インチ」のシャドウベイを搭載するPCケースも増えています。
PCケースのメーカー
主なPCケースのメーカーには、SILVERSTONE、LIAN LI、IN WIN、Abee、BitFenix、クーラーマスター、Thermaltake、Fractal Design、Corsair、ANTEC、NZXT、HEC、ENERMAX、Phanteks、XIGMATEK、サイズ、Sharkoon、Dirac、AeroCool、KEIANなどがあります。
その他、COUGAR、NANOXIA、ZALMAN、RAIJINTEK、JONSBO、be quiet!、ファスト、AOPEN、REALAN、LEPA、JMAX、タオエンタープライズ、EVGA、APEX、3R SYSTEM、オウルテック、玄人志向、センチュリーなども。
1)PCケースの大きさ(フォームファクタ)を決める
PCケース選びの第一歩は「PCケースの大きさ」=フォームファクタです。
一般的には「ATX」のPCケースがおすすめです。ATXはサイズが大きいので、SSDやHDDなどのパーツを追加しやすい=拡張性・汎用性が高いというメリットがあります。ただしサイズが大きい分、広めの設置スペースの確保が必要となります。
一方、「拡張性が低くてもよい(パーツの増設予定がない)」「予算を抑えたい」「ATXより小さいPC(省スペースPC)を自作したい」などという場合は、ATXよりも小さい「Micro-ATX」「Mini-ATX」がおすすめといえます。特にMini-ATXはサイズが小さいので、設置スペースは狭くても大丈夫。しかし拡張性が低いため、SSDやHDDを多く搭載できないなどのデメリットもあります。
見た目や設置スペースの小ささを優先するなら、Micor-ATXやMini-ATXも検討するのも良いでしょう。
2)PCケースのスペックをチェックする
大きさを決めた後は、PCケースのスペックをチェックしましょう。主なチェックポイントは以下の通りです。ご自身の利用目的に応じて、チェックしてみてください。
拡張性
具体的には「ベイの数」。ベイ数が多いほど、拡張性が高いPCケースといえます。SSDやHDDを取り付ける「2.5/3.5インチシャドウベイ」の数、光学ドライブ(CD・DVD・BDドライブ)を取り付ける「5インチベイ」数など。
※5インチベイは、ファンコントローラー(ファンの回転数を調整するパーツ)、USB、サウンド入出力などのパーツを組み込む場合にも利用できます。
内部スペースの大きさ
内部スペースにゆとりがあるかどうか? これは、グラフィックカード(ビデオカード)の長さの制限や、CPUクーラーの高さの制限などに関係してきます。「使いたいパーツがきちんと収まるかどうか?」をしっかりチェックしましょう。
とくにハイエンドのグラフィックカードを使う場合、要確認。サイズの大きなグラフィックカードを使う場合、ドライブベイなどに干渉せずにきちんと収まるかどうか? PCケースの「奥行き」を確認しましょう。
作業のしやすさ
組立・メンテナンス時の「作業のしやすさ」もポイント。
- 配線はしやすい構造か?(マザーボードの裏面にケーブル類を配線できるか?)
- ツールフリー(ツールレス)構造か?(SSDやHDD、光学ドライブなどをドライバーやネジ不要で固定できるか?)
- メンテナンスホールがあるか?(マザーボードをPCケースに取り付けたまま、CPUクーラーを交換するための穴があるか?)
冷却力
ハイエンドなCPUやグラフィックカードの使用する場合に、高温対策としてチェックしておきたいポイントです。
- 前面や側面にメッシュ構造を採用しているか?
- 大型の冷却ファンを複数、備えているか?
- 冷却ファンを追加できるタイプか?
静音性
音の静かなパソコンを自作したい場合にチェックしておきたいポイントです。
- ケース側面などに遮音シートを備えているか?
- 前面に開閉式のパネルを採用するなど、ケース内のファンの音を漏らさない仕組みになっているか?
コネクタ類の種類・数・位置
USBポート、ヘッドホン出力端子、マイク入力端子など。
※ちなみに各種パーツの取り付けに必要なネジなどは、PCケースに付属しています。
PCケースの「重量」も要チェック
意外と見逃しやすいのが「PCケースの重さ」。約5kgのものから約10kg超のものまで、PCケースによって重さがずいぶんと異なります。
重すぎると組み立てやメンテナンス作業の際、PCケースの向きや位置を変えたりするのが大変かもしれません。
「PCケースの重さ」も比較検討することをおすすめします。
ケースファンは静音タイプを別途購入
付属のケースファンの品質があまり良くない場合、ファンの音がうるさかったりします。そんなときは「別売りのケースファン(静音タイプ)を購入する」という解決策もあります。
ケースファンのサイズには数種類あります。「ファンの大きさが何センチか」を調べてから、購入を。
電源は「電源は別途購入」が一般的
PCケースに電源が付属するものもあります。しかし多くの場合、PCケースに電源は付属していません。「電源は別途購入する」というのが一般的です。
最近のPCケースのトレンド
PCケースの最近のトレンド(流行)は、以下の通りです。
電源の位置と配線
「底面取付」が主流に。底面と背面に通気口があり、電源の熱がケース内に影響しないようになっています。また「裏面配線」により、余分なケーブルを回して、ケース内をすっきりできる仕組みに。
ドライブベイの「2.5インチ」対応
SSDの普及で、ドライブベイは「2.5インチ」対応が当たり前になっています。
※なお、2.5インチベイがないPCケースでSSDを使う場合は、別途「マウンター」が必要となります。
ケース内のレイアウトの柔軟性
「ドライブケージが取り外し可能」「ドライブ用トレイがSSD・HDD両対応」など。
「設置スペース」の確認も忘れずに
最後に、PCケースの設置スペースの確認も、ケース購入前に行っておくようにしましょう。というのも、あらかじめ場所を確保していない場合、PCケースを商品箱から出して設置する段階になって、あわてて場所を空ける作業(部屋や机のかたづけ)をすることになるからです。
意外とPCケースは場所を取ります。PCケースの到着前あるいは持ち帰りの前に、設置場所をあらかじめ確保しておくことをおすすめします。
では次は、「PC電源ユニットの選び方」です。
参考ページ:PCケースの人気ランキングページ
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