HDDの選び方

HDD選びの流れは、以下の通りです:

  1. HDDの種類(用途)を決める
  2. HDDの「容量」を決める

以下、順を追って説明します。

1)HDDの種類(用途)を決める

デスクトップ向けHDDには一般的に、高性能な高価格モデル(7200rpm、10000rpmの高回転モデル)と、低価格モデル(5400rpmの低回転モデル)があります。

※消費電力の削減のため、アクセス状況により5400rpm~7200rpmの間で回転数を変化させる機能を搭載したHDDもあります(IntelliPower機能を搭載したウェスタンデジタルの「WD Green シリーズ」など)。

当然、高回転モデルのほうがデータの読み書きなどが速く、「OS起動用」として使うのもよいでしょう。ただし発熱や騒音・消費電力は、低回転モデルよりも高めとなります。

一方、低価格モデルは「データ保存用」としてオススメといえます(OS起動用としても使えることは使える)。高回転モデルと比べてデータの読み書き速度は劣る一方、低発熱・静音・低消費電力というメリットもあります。

ちなみにデスクトップ向けとは別に、NAS(Network Attached Storage)向けのHDDもあります。いわば「高耐久性モデル」で、24時間/365日の連続稼働を前提に設計された製品です。最大5台までの同時利用、振動対策やRAID対応などが特徴です。

なお、いずれにしてもデータ転送速度に関しては、HDDはSSDには及びません(圧倒的にSSDのほうが速い)。「OS起動用」としてのストレージには、最近はSSDを使用するのが一般的です。

※rpm(アールピーエム)=回毎分(英語:revolution per minute)または回転毎分(英語:rotation per minute)の略。5400rpmの場合、「5400回転/分」の意味。

2)HDDの「容量」を決める

現在、コストパフォーマンスが高いのは「2TB(テラバイト)」または「3TB」のHDDです。売れ筋のHDDともいえます。ただし最近では「4TB」以上ののHDDも登場しています。

予算的には、1万円までのHDDが人気のようです。予算内で、できるだけ大容量のHDDを購入すると良いででしょう。

なお、予算がある場合はHDDを2つ購入し、ひとつを「データ保存用」、もうひとつを「バックアップ用」として運用することをおすすめします。

※以前ならDVD-Rなどの光ディスクにバックアップを取るのが普通でした。しかし近年はデータの大容量化が進んでいるため、バックアップ作業(コピー)の手間や時間そして費用の面からも、光ディスクへのバックアップは実用的ではない……と個人的には思います。

バルク品とリテール品について

バルク品とは、プチプチ包装などで簡易包装された製品のことで、保証はメーカーではなく、販売ショップのもの。一方、リテール品とは、パッケージ(箱)に入っている製品のことで、メーカー保証付きのもの。

HDDにはバルク品とリテール品があり、バルク品のほうが価格が安いのが一般的です。製品としては同じなので、お好みでお選びください。

その他のHDDに関する知識

HDDの接続規格

マザーボードとの接続にはSATAケーブルを使用します。現在の主流は、SATA3 6Gbps接続。ただし、実際のデータ転送速度は、高性能HDDでも200MB/秒程度といわれています。

HDDのキャッシュ容量

キャッシュとは、読み書きするデータを一時的に保存しておくメモリのこと。ディスクキャッシュとも。キャッシュ容量が大きいほど処理速度が向上するわけですが、少ないからといって、性能が大きく劣るわけでもない、といわれており、あまり気にすることはないかも?

プラッタ数

プラッタとはHDD内に組み込まれている鉄製の円盤(ディスク)のこと。この円盤にデータを記録します。ディスクを回転させて磁気ヘッドがデータの読み出し、書き込みを行います。

同じ容量のHDDを比べた場合、「プラッタ枚数の少ない方がデータ転送速度が速い」です。というのも、プラッタの記憶密度が高いため。すなわち、データを読み書きする面積が小さい=磁気ヘッドの動く距離が短くて済むため、です。

また、プラッタ枚数の少ない方がHDDの発熱が少なくなるため、故障しにくいともいえます。

HDDの回転数

回転数には、5400rpm、7200rpm、10000rpmなどがあります。回転数が高いモデルほど、データの読み書き速度が高速です。しかし一方で、価格も高くなり、またHDDの発熱も増えるために故障のリスクも高くなるといわれています。

データ転送速度を少しでも速くしたいなら「7,200回転以上」のHDDを選ぶと良いでしょう。一方で、低消費電力を求める場合は、回転数が低いHDDを選ぶと良いでしょう。

では次は、「SSDの選び方」です。

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