パソコンでテレビを見るために必要なパーツ「TVキャプチャー(PC用テレビチューナー)」の選び方

このページでは、パソコンでテレビを見るために必要なパーツである「TVキャプチャー(PC用テレビチューナー)」の選び方をまとめています。おすすめのTVキャプチャーや主なメーカー・予算・価格帯の目安のほか、テレビチューナーの種類やパソコンとの接続方式・付属機能など、選ぶ際に比較するポイントを紹介しています。

主な内容は以下の通りです。

  1. TVキャプチャー(PC用テレビチューナー)とは?
  2. TVキャプチャー選びのポイント
  3. 確認事項:PC(チューナー)までケーブルが来ているか?

以下、順を追って説明します。

TVキャプチャー(PC用テレビチューナー)とは?

TVキャプチャー(PC用テレビチューナー)とは、パソコンでテレビ番組を見たり、録画したりするために利用するPCパーツ(または機器)です。

PC用テレビチューナーには、PCとの接続方式により、外付タイプと内蔵タイプの2種類があります。内蔵タイプの場合「TVキャプチャカード(パソコン用テレビキャプチャカード)」と呼ぶこともあるようです。

さらに受信放送により「ワンセグ」のみ受信可能な格安のPC用テレビチューナー、「ワンセグ/地デジ(=フルセグ)」のみ受信可能なPC用テレビチューナー、そして「地デジ/BSデジタル/110度CSデジタル」が受信可能なPC用テレビチューナーの3種類があります。

[TVキャプチャーの写真:内蔵タイプ]
内蔵タイプのTVキャプチャー

[TVキャプチャーの写真:外付けタイプ]
外付けタイプのTVキャプチャー

[TVキャプチャーの写真:外付けUSBメモリタイプ]
外付けUSBメモリタイプのTVキャプチャー

TVキャプチャーは基本的に、Windowsパソコン向けのパーツとなります。しかしメーカーによってはスマートフォンやタブレットでテレビを見ることができるポータブル製品、すなわちAndroid端末やタブレットあるいはiPhone/iPadなどのモバイル向けテレビチューナーを販売しているところもあるようです。

TVキャプチャーを選ぶときは、視聴が中心でたまに録画する程度なのか? あるいは、気になる番組を見逃さないよう、キーワードなどによる自動録画に対応した製品が欲しいのか? など、PC用テレビチューナーの機能を比較し、予算と目的に合わせて選びましょう。

※ちなみに以前(アナログテレビ放送の時代)は、ビデオキャプチャカード(ビデオやテレビ・PCゲームの動画と音声をPCに取り込むパーツ)にテレビチューナー機能を組み込んだ製品が一般的でした。しかしデジタル放送時代の現在では、PC用テレビチューナーとビデオキャプチャカードはそれぞれ別のパーツとして販売されているようです。

「TVチューナー」と「TVキャプチャー」の違い

PC用テレビチューナーの名称については、メーカーによって「TVチューナー」だったり「TVキャプチャー」だったりと、呼び方が違っている場合があります。

本来、「TVチューナーは視聴のみ(録画機能なし)」「TVキャプチャーは視聴&録画機能あり」という違いが厳密にはある、と思います。

しかしメーカーによっては、録画機能搭載のPC用テレビチューナーでも「テレビチューナー」と表記しているメーカーがある一方、録画機能がないPC用テレビチューナーを「テレビキャプチャー」のカテゴリに掲載しているメーカーもあります。

※とくにUSBメモリタイプの外付テレビチューナーで、まぎらわしい製品があるようです。

このため、番組の録画も行いたい場合は、購入を検討しているPC用テレビチューナーに「録画機能があるかどうか?」をしっかりと確認することをおすすめします。製品説明に録画機能に関する情報があれば「録画できる製品」、なければ「視聴のみ・録画機能なしの製品」と考えて良いと思います。

ちなみに価格COMの各製品ページの『スペック情報』にある「キャプチャフォーマット」の項目を見ると、「MPEG2-TS」「MPEG4-AVC」「H.264」など、録画方式(動画コーデック)の種類を確認できます。ただしこの項目が空欄であっても、録画機能を持つPC用テレビチューナーがあります。詳細は、各メーカーの製品ページで確認するとよいでしょう。

TVキャプチャーのメーカー

ピクセラ、IODATA、KEIAN、SKNETなど。ほかにゾックス、レッドスパイスといったメーカーも。

TVキャプチャーの予算・価格帯の目安

PC用テレビチューナーの予算・価格帯の目安は、ワンセグのみで500円~5,000円前後、ワンセグ/地デジのみで5,000円前後、地デジ/BSデジタル/110度CSデジタル対応タイプで10,000~20,000円前後、という感じです。

受信できる放送数が多いほど、テレビチューナーの価格は高くなります。また2番組同時録画や長時間録画が可能など多機能になるほど、価格が高くなります。一方、地デジのみのテレビチューナーなら、5,000円以下で購入できる手軽な製品もあるようです。

TVキャプチャー選びのポイント

テレビチューナーの種類を選ぶ

TVキャプチャー選びで最初に基準となるのは「テレビチューナーの種類」だと思います。パソコンで見るテレビ番組が「地デジ」のみで良いのか? それとも「地デジ/BSデジタル/110度CSデジタル」すべてが視聴したいのか?

地デジのみでよい場合は「TVチューナー:ワンセグ/地デジ(フルセグ)」タイプがおすすめ。多くの場合、ワンセグとフルセグがセットになっていると思います。ただし、格安のUSBタイプの製品では「ワンセグのみ」のものもあるので、きちんと確認を。

一方、「地デジ/BSデジタル/110度CSデジタル」のすべてが見たい場合は、「TVチューナー:地デジ/BS/CS」の三波に対応した製品を選ぶことになります。

▼ワンセグとフルセグの違いについて

フルセグとは、いわゆる「地上デジタルテレビ放送」のこと。家庭用のテレビで視聴できる、通常のテレビ放送と同じもの。ハイビジョンの高画質で番組を楽しめるのが特徴です。

ワンセグとは、フルセグの電波の一部を利用した「モバイル機器向けのテレビ放送」。フルセグと同じ番組のほか、ワンセグ専用の番組もあります。フルセグより画質が劣るものの、性能の低いパソコンでも視聴できるというメリットがあります。

パソコンとの接続方式(タイプ)で選ぶ

PC用テレビチューナー選びの第二の基準は、パソコンとの接続方式。「外付タイプ」と「内蔵タイプ」という、2種類の接続方式があります。便利さで選ぶなら「外付タイプ」、見た目のすっきり差で選ぶなら「内蔵タイプ」がおすすめ、ということになります。

外付タイプのPC用テレビチューナーは、USBを利用してパソコンに接続します。外付けタイプのPC用テレビチューナーのメリットは、デスクトップパソコン、ノートパソコンのどちらでも利用でき、簡単に接続できるというメリットがあります。一方、設置する場所が必要となることが、外付けタイプのPC用テレビチューナーのデメリットといえます。

一方、内蔵タイプはデスクトップパソコンで使用するPC用テレビチューナー。マザーボードの「PCI Expressスロット(PCI-Exp)」にチューナーを接続します。内蔵のため、設置場所を取らないのがメリット。一方、「空きスロットが必要」「組み込み作業に時間と手間がかかる」「ノートパソコンでは使用できない」などの点がデメリット(というより、注意する点)といえます。

テレビチューナーの付属機能(付加機能)で選ぶ

TVキャプチャー選びの最後の基準は「付属機能(付加機能)」。テレビの視聴や録画・再生については、基本的にどの製品でも行えます(まれに「視聴のみ」の製品もあるので注意)。

その他の機能として、例えば「2番組同時録画(いわゆるダブル録画)に対応しているか?」。単体でダブル録画に対応している製品もあるほか、製品によっては、テレビチューナーを2枚同時に利用することで最大4番組を同時に録画できる製品もあります。

録画機能については、ほかにも繰り返し予約・おまかせ予約(キーワードなどによる自動録画)・時間変更追従などに対応しているかどうか?

また再生機能では、タイムシフト機能・追いかけ再生・ダイジェスト再生・スキップ再生・ゆったり再生・早見再生などの便利な機能があるかどうか? ホームネットワーク経由で、スマホ/タブレットからも専用アプリで番組を楽しめるかどうか? など。

そして編集機能。チャプター分割など可能か? BD・DVD書き出しやSDカードなどに書き出しできる機能があるか?

他にも製品によって、さまざま付属機能(あるいは付属ソフト)があると思います。製品のホームページやカタログなどでチェックするとよいでしょう。

▼TVキャプチャーの付属ソフトについて

録画予約の設定などは専用の付属ソフトで行います。製品に付属している場合(CD-ROMなど)ほか、メーカーのサポートページでダウンロードする必要があるものも。

注意点は、ソフトの使い勝手やパソコンとの相性など。PCやOSとの相性で動作が不安定な製品(ソフト)場合もあるようです。価格COMの口コミ情報などで事前にチェックしておくことをおすすめします。

確認事項:PC(チューナー)までケーブルが来ているか?

当然のことですが、パソコンでテレビを見るためには、チューナーを購入するだけではなく、地デジ放送やBS放送・CS放送などの各デジタル放送を視聴できる環境を整えておくことが必要です。

具体的には、以下の通りです。

  1. BS放送やCS放送、ケーブルテレビなどの契約は済ませているか?
  2. アンテナは設置済みか?
  3. PC(チューナー)までアンテナケーブルが来ているか?

特に(3)がポイント。アンテナケーブルが接続されていないと、パソコンでテレビを見ることはできません。

注)アンテナケーブルがない、あるいは増設できない場合には「室内アンテナ」を利用するという方法もあります。ただし受信感度がどの程度、得られるかが問題かも……です。各自、ネット検索で調べてみてください。

パソコンのある部屋の壁に「テレビ用コンセント(F型テレビ端子)」があれば、テレビ用コンセントとテレビチューナーの端子をアンテナケーブル(同軸ケーブル)で接続するだけで済みます。しかし、部屋にそうしたテレビ用コンセントがない場合、既存のテレビ用コンセントあるいは同軸ケーブルを2つに分け、ケーブルを引っ張ってくる(増やす)必要があります。

具体的には「分配器」および「アンテナ線F型接栓付ケーブル」(または「アンテナ接栓を取り付けて自作した延長用の同軸ケーブル」)を使って、ケーブルをPCのところまで敷いておく必要があります。

※ウチの場合、PCのある部屋にテレビ用コンセントがないので、テレビに接続していた既存の同軸ケーブルを分配器で2つにわけ、自作の同軸ケーブルでテレビ・PCそれぞれに接続しています。

なお、PC用テレビチューナーは「アンテナ入力端子1つの混合タイプ」が多いようです(F型コネクタ1つの、地上デジタル・BS/110度CSデジタル混合タイプ)。このため、テレビアンテナケーブルが地デジとBS/CSで別々になっている場合、各ケーブルを「混合器」で1つにまとめる必要があります。

同軸ケーブルの分配方法あるいは混合方法については、各自、ネット検索で調べてみてください。

参考:分配器・分波器・混合器の違い

分配器
1本のアンテナ線を2本に分けるためのもの。
分波器
1本のアンテナ線に混合しているテレビ信号(地デジおよびBS/CSの信号)を「地デジ」と「BS/CS」の信号を分けるためのもの。
混合器
複数のテレビ信号を1本のアンテナ線にまとめるためのもの。

参考:同軸ケーブルの種類

同軸ケーブルには太さによって3C・4C・5Cなど種類があります。利用状況に応じて選ぶと良いでしょう。

同軸ケーブルの種類
  • 3C……ごく短距離用。レコーダーとTVの間や、分波器と受信機の間など。
  • 4C……一般的な距離用。壁面コンセントと機器の間など。
  • 5C……長距離用。一戸建て住宅などで部屋と部屋の間にケーブルを敷設する場合など。

なお、BS/CSも見る場合、型番の頭に「S」が付いたケーブル(例:S-4C-FB、S-5C-FBなど)を選びましょう。またF型接栓(F型コネクタ)も「5C用F型接栓」など、それぞれ対応したものを。

では、次のページは「ビデオキャプチャの選び方」です。

最新TVキャプチャー(PC用テレビチューナー) 人気・おすすめピックアップ:

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アースソフト PT3 Rev.A
( 内蔵/PCI Express×1 )
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KEIAN KTV-FSMINI (USB接続 地デジTVチューナー)
( 外付/USB )
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アイ・オー・データ GV-MVP/XS3W
( 内蔵/PCI Express×1 )
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エスケイネット MonsterTV Evo.4 (SK-MTVE4)
( 外付/USB )
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PLEX PX-W3U3 Ver2.0 (地上デジ3波 USB2.0)
( 外付/USB )
ドスパラのTVキャプチャー(PC用テレビチューナー)コーナーより(2016/05/22更新)
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