HDD&SSDの選び方(基礎知識編)

まずこのページでは、HDD&SSDの特徴および違いを比較しながら説明します。その後、HDDの選び方・SSDの選び方をそれぞれのページで説明することとします。

ストレージとしてのHDD、SSD

HDD、SSDなどの機器をまとめて「ストレージ」と呼ぶことがあります。

ストレージとは、パソコンにデータ(文書ファイル、画像、動画、音楽など)を保存しておく記憶装置のこと。具体的には、磁気ディスク(ハードディスクなど)や光学ディスク(CD/DVD/Blu-ray Discなど)、フラッシュメモリ記憶装置(USBメモリ/メモリカード/SSDなど)など。

ただし最近では、オンライン上のストレージサービス(クラウドストレージ)などもあります。

基本的なストレージ「HDD」

HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)とは、記憶媒体として磁性体を塗布または蒸着した金属のディスク(「プラッタ」という)を用いたドライブ装置。パソコンの最も基本的なストレージといえます。単に「ハードディスク」と呼ばれるのが一般的です。

HDDは「データ保存用ドライブ」に

HDDの特徴は、SSDに比べて容量あたりの価格が格段に安く、記憶容量が圧倒的に大きいこと。以前はGB(ギガバイト)単位でしたが、近年はTB(テラバイト)単位となっています。一方、データ転送速度はSSDより劣っています(速くても順次読み出し速度が200MB/秒ぐらい)。

このため近年、HDDは「データ保存用ドライブ」としての利用が一般的です。動画や写真、音楽などのデータ、ソフトウェアなど、データの大きなファイルを保存することに向いているストレージといえます(もちろん、OSやアプリをインストールすることは可能です)。

「3.5インチ型内蔵HDD」が一般的

HDD本体のサイズは、「3.5インチ」(デスクトップPC向け)および「2.5インチ」(ノートPC向け)の2種類。そして「内蔵型HDD」(パソコン本体の内部に取付)および「外付けHDD」(USB接続などによる)があります。

自作パソコンで使用するのは、「3.5インチ型内蔵HDD」が一般的です。

主なHDDのメーカー

Western Digital(ウェスタン・デジタル)、Seagate(シーゲイト)、HGST(以前の日立。現在はウェスタン・デジタルの子会社)、TOSHIBA(東芝)があります。以前は他のメーカーもありましたが、現在はこの4メーカーとなっています。HDDのシェアトップはウェスタン・デジタルです。

HDDより高速の「SSD」

SSD(Solid State Drive )とは、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置。2008年頃から一般に普及し始めた、比較的新しいストレージといえます。

SSDは「OSやソフトの起動用ドライブ」に

SSDの特徴は、HDDに比べてデータの読み書き速度が圧倒的に速いこと。このため、OSやソフトをSSDにインストールしておくと、OSやソフトの起動が格段に速くなり、HDDにインストールした場合より、快適に使えるといわれています。

SSDの長所と弱点(メリットとデメリット)

SSDはフラッシュメモリにデータを保存するため、衝撃に強く、静かで、発熱・消費電力も低いことが、SSDの長所。つまり可動部品(回転するディスクなど)がないので、衝撃耐性・静音性・低発熱・低消費電力といった点でも、HDDより優れているといえます。

一方で、SSDの弱点は、長期間使い続けているとデータの読み書き性能(速度)の低下が起こりやすいこと。対策として「Trimコマンドをサポートする最新OSを使う」「空き容量をきちんと確保しておく」など、SSDの使用にはコツがあります。

また、HDDよりも高価格で容量が少ない点も、SSDの弱点といえます。

SSDのサイズと種類

主流のSSDは「2.5インチ型SSD」(SATAスロットに接続)。ほかに小型カード型SSD(mSATAまたはM.2スロットに接続)、拡張カード型SSD(PCI Expressスロットに接続)といったSSD製品も登場しています。

2.5インチ型SSDについては、2.5インチ用ベイがない古いPCケースなどでは取付の際、3.5インチの取り付け位置に変換するブラケット(変換ブラケット)が必要となります。変換ブラケットはSSD製品に付属している場合があります。また新しいPCケースの場合は、最初からSSD用の2.5インチ用ベイが設けられているのが一般的です。

SSDは記憶容量の大きいものを選ぶ

記憶容量は、できるだけ大きなものを選ぶのがオススメ。容量が大きい方が速度の低下が起こりにくいといわれています。また、同じシリーズのSSDなら、容量の大きい方が転送速度が速いとも。データ転送速度については、メーカーの公称値が製品説明で公開されていることが多いので、SSD選びの際に比較してみるとよいでしょう。

主なSSDメーカー

ADATA、Crucial、CFD、サムスン、Intel、SunDisk、Kingstonなどのメーカーがあります。

ハイブリッドHDDとデュアルドライブ

最近では、SSDとHDDを組み合わせたドライブもあります。

ひとつは「ハイブリッドHDD」(またはSSHD=Solid State Hybrid Drive)。これは、SSDを「大容量キャッシュ」として利用するもの。

もうひとつは「デュアルドライブ」。こちらは、SSDとHDDをそれぞれ「別ドライブ」として使用するもの。

ただし、どちらかといえば拡張性の低い「小型PC向き」といえます。ドライブの設置スペースが大きいPCケースなら、SSDとHDDを別々にそろえた方が良いでしょう。

HDDとSSDの使い分けは?

「起動ドライブはSSDに(HDDよりも圧倒的に速いため)」「データ保存はHDDに(SDDよりも圧倒的に容量が多いため)」。つまり、「SSD=OS、ソフト、アプリ用」「HDD=データ用(画像、動画など)」というのが、最近の自作パソコンにおける理想的な構成といえます。

言い換えると「OS・ソフトなど頻繁に書き込み・消去をしない、主に読み出しのみのデータはSSDに」「頻繁に書き込み・消去する文書データおよび、音楽・画像・動画など大容量のデータはHDDに」ということです。

容量およびドライブ数から見た、理想の組み合わせは「SSD2つ+HDD2つ」例えば「256GB(OS)/256GB(アプリ)+3TB(データ)/3TB(バックアップ)」といえます。

ただし予算を抑えたいのであれば、「SSD1つ+HDD1つ」という組み合わせでも良いと思います。あるいは最低限の構成として「HDD1つ」というのもアリです。

※HDD1つの場合はパーティションを「Cドライブ(OS起動用)、Dドライブ(アプリ用)、Eドライブ(データ保存用)」などと区切るのがオススメです(そして後日、データのバックアップ用HDDを追加したいところ……)。

※パーティションの区切り方については、ネット検索などで調べてみて下さい。

予算に応じて、SSDとHDDの構成を検討して下さい。

さて次のページからは「HDDの選び方」そして「SSDの選び方」を説明いたします。

まずは、「HDDの選び方」です。

最新HDD&SSD 人気・おすすめピックアップ:

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Western Digital WD20EZRZ-RT (2TB)
( 回転数:5400rpm / キャッシュ:64MB )
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Western Digital WD30EZRZ-RT (3TB)
( 回転数:5400rpm / キャッシュ:64MB )
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Crucial CT480BX200SSD1 (480GB)
( 最大書込速度:490MB/s / 最大読込速度:540MB/s )
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Crucial MX200 MX200 CT500MX200SSD1 (500GB)
( 最大書込速度:500MB/s / 最大読込速度:555MB/s )
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Crucial MX200 MX200 CT250MX200SSD1 (250GB)
( 最大書込速度:500MB/s / 最大読込速度:555MB/s )
ドスパラのHDD&SSDコーナーより(2016/07/17更新)
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