CPUの選び方

このページでは、自作PC初心者向けに「CPUの選び方」を説明しています。情報収集の方法、メーカー選び、最新の「世代」と「開発コード名」を確認する方法、CPUの「シリーズ」を確認・比較する方法などを取り上げています。

主なCPU選びの流れは、以下の通りです:

  1. CPUの「情報収集」をする
  2. CPUの「メーカー」を決める
  3. CPUの最新の「世代」と「開発コード名」を確認する
  4. CPUの「シリーズ」を確認・比較する

以下、順を追って説明します。

CPUとは?

CPUとは「Central Processing Unit(中央演算装置)」の略です。パソコン全体の処理や計算を行う、いわゆる「PCの頭脳」。PC全体の性能を決める重要なパーツです。

基本的に新しいCPUほど、そして動作周波数が高くてコア数が多いほど、高性能なCPUといえます。そして高性能なCPUほど、価格も高くなります。

ただし、CPUのメーカーが異なったり、また同じメーカーでもCPUの「世代」や「開発コード名」(コードネーム)が異なると、動作周波数やコア数が同じでも処理結果(速度)が異なります。このため、単純に動作周波数やコア数だけで性能を比較することはできない、ともいえます。

CPUの2大メーカー/「インテル」と「AMD」

CPUを製造・販売しているメーカーには、「インテル」と「AMD」の2つがあり、CPUの2大ブランドといえます。それぞれのメーカーから、デスクトップ向け・ノートパソコン向けそしてサーバー向けなど、数多くのCPUが販売されています。

インテルは、CPUのシェア世界第一位のCPUメーカー。現在のデスクトップ向けCPUのメインは「Core i(コア・アイ)」シリーズ。ハイエンドの「Core i7」、ミドルレンジの「Core i5」、ローエンドの「Core i3」という、3つのブランドがあります。その他、超低価格ブランドとして、「Pentium(ペンティアム)」「Celeron(セレロン)」も用意されており、求める性能や予算に応じて選べるようになっています。このため、インテルCPUは自作PC初心者におすすめのCPUといえます。

一方、AMDのCPUは、コストパフォーマンスの高いことで知られています。内蔵グラフィックス機能の良さに定評があります(AMDのCPUは、PS4=プレイステーション4などにも搭載されているとか)。パソコンの自作に慣れており、CPUをより安く手に入れたいユーザーに向いているCPUといえます。

「インテル」と「AMD」では異なる、対応マザーボード

基本的にCPUとしての機能は、インテル・AMDどちらの製品でも同じです。ただし、対応するマザーボードは異なるため、注意が必要です。つまり、インテル製CPUならインテル対応のマザーボード、AMD製CPUならAMD対応のマザーボードを選ぶ必要がある、というわけです。

CPUを選ぶときは、マザーボードとの組み合わせに注意しましょう。

CPUの予算・価格帯の目安

CPUの予算・価格帯の目安は、ローエンドで1万円、ミドルで2.5万円、ハイエンドで4万円ぐらいといわれています。インテルCPUの場合、Core-i5で2~3万円、Core-i7で4~5万円ぐらい、と思います。

ただし最上級グレードCPUで10万円を超えるものも。逆に最も低いグレードのCPUでは、1万円を切るものもあるようです。

1. CPUの「情報収集」をする

CPUの情報収集すなわち、最新のCPUのラインアップそしてCPUの売れ筋・人気ランキング、CPUの性能比較などを調べたいときは、「価格コム」や自作パソコンショップのランキングページがおすすめです。

まずは「価格コム」のCPUコーナー。各CPUの性能比較やおすすめ人気ランキング、最安値情報、スペックが掲載されているほか、メーカー仕様表へのリンクなどもあります。そしてなにより、実際に製品を使用したユーザーによるレビューそしてクチコミ情報の投稿が、とても参考になります。

もうひとつは、自作パソコンショップのWEBサイトにある人気ランキングページ。こちらでも、具体的にどのCPUが多く購入されているのかを知ることができます。

ところで、CPUの「情報収集」をする際には、どんな点に注目すればいいのか? このあと説明したいと思います。

2. CPUの「メーカー」を決める

先に説明したとおり、CPUのメーカーには「インテル」「AMD」の2つがあります。このうち、自作パソコン初心者の方にオススメのCPUは、やはり「インテル」です。なんといっても、インテルはCPUのシェア世界第一位のCPUメーカーということで、安定感があり、また価格と性能のバランスも良いといえます。

というわけで、以下では、インテルCPUを選ぶ前提で、インテルCPUを中心に話を進めていきます。あらかじめご了承下さい。

3. CPUの最新の「世代」と「開発コード名」を確認する

CPU選びの際は、最新の「世代」と「開発コード名」を確認することが重要です。「うっかりひとつ前の世代のCPUを購入してしまった」あるいは「CPU購入後、1か月も経たないうちに、新しいCPUが発売された」といった失敗を避けるため、です。

CPUの「世代」とは?

インテルCPUのCoreシリーズの場合、CPUの「基本設計(マイクロアーキテクチャー)」により、「世代」が明確に分けられています。CPUの世代が新しくなるほど、CPUの内部構造や製造技術が改良されていて、処理能力や省電力性が向上していることになります。

具体的には、第1世代の「Nehalem(ネハレム)」から始めて、第2世代の「Sandy Bridge(サンディ・ブリッジ)」、第3世代の「Ivy Bridge(アイビーブリッジ)」、第4世代の「Haswell(ハスウェル)」、第5世代の「Broadwell(ブロードウェル)」、第6世代のインテル Coreプロセッサー「Skylake(スカイレイク)」、そして最新・第7世代のインテル Coreプロセッサー「Kaby Lake(カビーレイク、またはケイビーレイク)」があります。

世代を見分ける目安は、CPU名についている「プロセッサナンバー」。例えば「Core i7-6700K」のように、プロセッサナンバーが「6」で始まる4ケタの数字になっているCPUは、第6世代のCore iシリーズです。一方、第5世代のCore iシリーズのプロセッサナンバーは「5」で始まる4桁の数字となってます(例:「Core i7-5500U」など)。

CPUの情報収集の際は「最新の世代が何なのか?」あるいは「まもなく新世代のCPUが発売されるのでは?」などをチェックすると良いでしょう。

CPUの「開発コード名」とは?

CPUの「開発コード名」とは文字どおり、開発中の製品に使われる名前(ニックネーム)のこと。先に紹介した「基本設計(マイクロアーキテクチャー)」と同じ名前であるのが一般的です。

例えば、第6世代の「Core i7-6700K」なら「Skylake」、第5世代の「Core i7-5500U」なら「Broadwell」、第4世代の「Core i7-4770K」なら「Haswell」という開発コード名となっています。

しかし、「同じ世代であっても、開発コード名が異なる」ケースもあります。例えば第4世代のCore i7シリーズの場合、古いものから順に「Haswell」「Haswell Refresh」「Devil's Canyon」と3つの開発コード名があります。そして、それぞれ違う型番のCPUが発売されています(「Core i7-4790(Haswell Refresh)」「Core i7-4790K(Devil's Canyon)」など)。

つまり(例えばCore i7など)同じプロセッサ名(ブランド名)のCPUでも、中身の設計が異なる製品がある、というわけです。

※ちなみにSkylakeの場合「Skylake-S(デスクトップPC向け)」「Skylake-H(高性能ノートPC向け)」「Skylake-U(薄型ノートPC向け)」「Skylake-Y(タブレット&薄型ノートPC向け)」という分類があります。

「世代」と「開発コード名」から、最新のCPUを確認する

新CPUが発売された後、しばらくは新旧製品が併売されていることもあります。あるいは、まもなく新CPUが発売される場合もあります。

このため、CPUを選ぶ際はプロセッサ名だけでなく、「世代」と「開発コード名」をチェックして、最新のCPUはどれか? あるいは発売間近ではないか? などを確認するようにしましょう。

そうして、購入対象とするCPUの「世代」と「開発コード名」(例:「第6世代のSkylake」など)を決めて下さい。

「CPUソケット」も確認しておく

CPUソケット(またはCPUスロット)とは、CPUをマザーボードに取り付ける部分(規格)のこと。一般的には、アルファベットと数字の組み合わせた名称になっています。例えばインテルのCPUなら「LGA1151」「LGA1150」「LGA2011」「LGA2011 v3」「LGA1155」など。一方、AMDなら「SocketFM2」「SocketAM3」「SocketAM2」「SocketAM1」などがあります。

このCPUソケットの規格が合わないと物理的にCPUソケットの形状が異なるため、CPUをマザーボードに取り付けることができません。このため、CPUを選ぶ際は「CPUソケットの規格がCPUとマザーボードの両方で一致しているか」を確認することが重要です。

まず、メーカーが異なるとソケットも異なります。つまり、インテルのCPUとAMDのCPUとでは、CPUソケットの互換性がありません。

次に同じメーカーのCPUでも、「世代」や「開発コード名」が異なるとCPUソケットが一致しない場合が多いです。例えばインテルの場合、「Skylake=LGA1151」「Haswell=LGA1150」「Ivy Bridge=LGA1155」「Ivy Bridge-E=LGA2011」というように、CPUの世代や開発コード名により、対応するCPUソケットがそれぞれ異なっています。

以下、これまでのソケット形状および対応するCPUの「世代」と「開発コード名」の例です。

ソケット形状および対応するCPUの「世代」と「開発コード名」の例
  • LGA1151……Skylake(第6世代)
  • LGA1150……Broadwell(第5世代)、Haswell Refresh(第4世代)、Haswell(第4世代)
  • LGA1155……Ivy Bridge(第3世代)、Sandy Bridge(第2世代)

逆にいうと「同じCPUソケット名称=同じ世代」といえます。このため、ソケット名称は、CPUの世代や開発コード名を区別する目安ともなります。※「同じCPUソケット名称=同じ世代」とは限りませんでした。お詫びして、訂正いたします(2015/12/22)

CPUを購入する際は「CPUソケット」も確認すること。そしてマザーボード選びの際も、マザーボード側のCPUソケット名称が同じか? を必ず確認してください。

4. CPUの「シリーズ」を確認・比較する

CPUの最新の「世代」と「開発コード名」の状況を確認したあとは、具体的に各CPUの「シリーズ」を確認・比較する作業となります。

インテルの場合、現在のデスクトップ向けCPUのメインとなるのが「Core i(コア・アイ)」シリーズです。ハイエンドクラスの「Core i7」、ミドルレンジの「Core i5」、ローエンドの「Core i3」という、3つのブランドがあります。この中から選ぶのがおすすめです。

CPUの型番の見方

まずは、インテルCPUの型番(プロセッサー・ナンバー)の見方を説明しておきます。

例)「Core i7 6700K」の場合
  • Core i7(=シリーズ名またはブランド名)6(=世代)700(=SKUナンバー)K(=サフィックス)

SKUナンバーとは「stock keeping unit(在庫維持単位)」番号のこと。在庫管理番号あるいは製品判別番号といえます。同じ世代のインテルCPUでは、この数字(790など)が大きいほど、より多くの機能が搭載されていることを表します。性能が高いことを意味します。このため「SKUナンバー=性能を表す数値」ともいえます(ただし数字が大きくても、すべての機能が強化されているわけではないので、ご注意を)。

そしてCPU型番の最後のアルファベット(サフィックス=接尾辞)は、いわばCPUの特徴を示す記号です。ただし、必ず付いているわけではなく、無印のものが標準です。

例えば、第6世代のインテルCoreプロセッサー(デスクトップ向け)のサフィックスは、以下の通りです:

例)「第6世代のインテルCoreプロセッサー」(デスクトップ向け)のサフィックス
  • K=倍率ロックフリーモデル(アンロック対応。オーバークロック重視)
  • T=超低消費電力モデル(消費電力を重視)

「とことんオーバークロックをやりたい!」という場合は、価格は高めですが「K付きモデルのCPU」がおすすめです。逆に「オーバークロックにあまり興味がない」「CPUをオーバークロックする予定はない」などという場合には、無印モデルやK以外のモデルがおすすめといえます。K付きモデルのCPUは「オーバークロック前提」と考えるとよいでしょう。

ちなみに別の世代でも、それぞれサフィックスが付いています。サフィックスの意味などの詳細は、インテルの公式ページで紹介されています。

ちなみにAMDのCPUの場合は、以下の通りです:

例)「FX-8170」の場合
  • FX(シリーズ名またはブランド名)-8(物理コア数)170(性能を表す数値)

同じコア数なら、後ろの数字(170など)が大きいほど、性能が高いことになります。

CPUの性能を比較する、5つのポイント

同じ世代・開発コードネームのシリーズであれば、CPUの性能を比較する主な要素は、以下の5つです。

  • コア数とスレッド数(ハイパースレッディング)
  • クロック周波数(動作クロック・定格クロック)およびブースト時クロック
  • TDP
  • 3次キャッシュ(LLC、L3)
  • 内蔵グラフィックス機能

1)コア数とスレッド数(ハイパースレッディング)

「Core i7」「Core i5」「Core i3」の3つで大きく異なっているのは、「コア数とスレッド数(ハイパースレッディング)」です。

それぞれのCPUのコア数とスレッド数(ハイパースレッディング)は、以下の通りです。

「Core i7」「Core i5」「Core i3」のコア数とスレッド数(ハイパースレッディング)の比較
  • Core i7 …… 4コア/8スレッド(HTT搭載。OS上では8コア)
  • Core i5 …… 4コア/4スレッド(HTTなし)
  • Core i3 …… 2コア/4スレッド(HTT搭載。OS上では4コア)

コアとは、CPU内にある、実際に計算処理を行う部分のこと。コアの数が多いほど複数の処理を同時に行うことができるため、CPUの処理速度が速くなります。しかし一方でコアの数が多くなるほど電力の消費量が増えるため、CPUの発熱も高くなります。

古くはコアが一つの「シングルコアCPU」が一般的でした。その後、コアを2つ持つ「デュアルコアCPU」が誕生。現在では、コアを4つ持つ「クアッドコアCPU」が主流となっています。コアの数は今後も増えていくことが予想されます。

一般的には、コア数の多いCPUを買うのがオススメです。

一方、スレッドとは、プログラムの実行単位のこと。通常は1つのコアで1つのスレッドを処理します。つまり、クアッドコアCPUの場合は「4コア・4スレッド」となります。

ところでインテルでは「ハイパースレッディング(Hyper-Threading)」という独自技術があります。これは、1つの物理的なCPUコアを仮想的に2つのCPUコアに見せることで、同時に2つのスレッド(プログラムの実行単位の一つ)を実行するという、インテルの独自技術です。ハイパースレッディング・テクノロジー (Hyper-Threading Technology、HTT)ともいいます。

ハイパースレッディング付きコアの場合、OSからは1つのコアが「2コア」と認識されます。つまり、4コアのクアッドコアCPUの場合なら、OSからの見かけ上は「8コア・8スレッド」のCPUとなります。HTTがないCPUコアと比べると、複数作業・分割処理がさらに高速になります。とはいえ、物理的な2コアと同じ効果はありません。最大でも1.5倍程度の処理速度向上といわれています。

※たとえ話でいうと「タクシーの相乗り」のようなもの。目的地は異なるけれど、ほぼ同じ方向へ行く乗客たち(別々のデータ)を一台のタクシー(コア)に乗せて運ぶ(処理する)……というイメージです。

※あるいは、料理のたとえ話も……インテルがYouTubeで動画を紹介しています。

2)クロック周波数(動作クロック・定格クロック)およびブースト時クロック

CPUのクロック周波数とは、CPUが動作する際の「電気信号の周波数」のこと。この数字の高いほど、処理速度が速いCPUといえます。単位は「GHz ギガヘルツ」。「動作クロック」「CPUクロック」「動作周波数」ともいいます。

シングルコアCPU時代には、クロック周波数が大きさ=CPUの性能を比較するための大きな目安でした。というのも、基本的にクロック周波数は固定されていたためです(=CPU定格クロック)。

ただし例外として、マザーボードの設定をユーザーが変更し、標準以上のクロック周波数にあげる「オーバークロック」という方法もありました。とはいえ、CPUの動作を安定させるための設定が難しい、という面もありました。

しかし、現在のCPUには「ターボ機能」という自動オーバークロック機能があります。これは、消費電力に余裕がある時に、規定の範囲内で動作クロックを引き上げ(=ブースト時クロック)、CPUの処理能力を高めるという仕組み。このターボ機能により、使用状況に応じてCPUが自動的かつ安定的にオーバークロックする、というわけです。ただし、すべてのコアが最大周波数で動作するわけではなく、処理が1つだけの方が効果が出やすい、といわれています。

「ターボ機能」の名称はメーカーにより異なり、インテルの場合は「ターボブースト」という名称で、「Core i7」および「Core i5」の2シリーズに搭載されています(ちなみにAMDの場合、「ターボコア」という名称となっています)。

またマザーボードの設定も改良されています。より簡単かつ安定して、ユーザーがオーバークロックできる仕組み(独自機能)を持つマザーボードが一般的となっています。

このため現在では、CPUの動作周波数はCPU性能比較の「大きな目安」というより、「ひとつの目安」となっている、といえます。

3)TDP

TDPとは「Themal Design Power」の略で、「熱設計電力」のこと。単位はW(ワット)。CPUの消費電力そのものではなく、冷却装置を設計する際に目安となる仕様上の数値(=「最大でこの熱量の物体があるものとして設計する」ための値)を表しています。

一般的には、TDPが高いCPUほど消費電力が高く、発熱(CPUの温度)も大きい傾向にあります。このため、TDPは「CPUの消費電力・温度をチェックする目安」となります。

※TDPの高いCPUの場合、メーカー純正のCPUクーラーでは騒音が気になる場合もあるとか……その場合は、別売の高性能CPUクーラーと交換してもよいでしょう。

4)3次キャッシュ(LLC、L3)

3次キャッシュとは、CPUの全コアで共有する大容量キャッシュのこと。Core iシリーズではLLC(Last Level Cache)と呼ぶことも。

キャッシュとは、データを一時的に保存しておく領域。使用頻度の高いデータ・命令や直前に使用したデータなどを保存しておくことで処理を高速化できる、というものです。

CPUのキャッシュには、1次キャッシュ(L1。最も高速だが最も記憶容量の少ない)、2次キャッシュ(L2。1次キャッシュより低速だが容量が多い)もあります。それらに比べて速度は遅いものの、容量が大きいのが3次キャッシュの特徴となっています。

5)内蔵グラフィックス機能

最近のCPUは、グラフィックス機能を内蔵しています。例えばインテルCPUの場合「HD Graphics 4600」などがあります。ただしCPUのグレードにより、グラフィックス性能に差がある場合があります。

また、内蔵していないCPUもあります。ハイエンドCPUの方が内蔵されていない場合があるので、念のため確認を。

文書作成やWeb閲覧など、一般的な2D描画なら、内蔵グラフィックス機能で十分と言われています。

一方、最新の3Dゲームなど楽しみたいのであれば、ビデオカードを購入・組み込むことが一般的です。

5. その他の注意事項

付属CPUクーラーの有無

基本的にBOX製品のCPUには、メーカー標準のCPUクーラーが付属しています。しかし高性能モデルのCPUでは、高価格にもかかわらずCPUクーラーが付属していない場合があるので、念のためチェックすることをオススメします(インテルの第6世代CPUシリーズの場合、オーバークロック前提のK付きモデルには、付属していないようです)。

BOXとバルクの違い

自作パソコンショップの商品ページで、商品見出しに「BOX」と付けられていることがあります。この「BOX」の意味は、「箱に入った製品」。つまり、最初から個人ユーザーへの販売を目的とした通常の製品で、「メーカー保証書」の付いている製品ということになります。「リテール品」ともいいます。

一方、「バルク品」のCPUが販売されていることもあります。バルク品とは、本来OEM販売などのために企業向けに出荷するものを、自作PCパーツショップが個人ユーザー向けに販売しているもの。

バルク品のメリットは「低価格」。CPU本体のみで化粧箱がなかったり、あるいはCPUクーラーがなかったりするので、BOX品より安いのが一般的です。一方、バルク品のデメリットは、「パッケージやマニュアルが簡略化(または省略)されている」「付属品が少ない場合がある」そして「メーカー保証がない」こと。ただしショップ保証が付いているのが普通です。

※逆にいうと「メーカー保証書」(あるいは販売代理店の保証書)がないPCパーツは、たとえ化粧箱や説明書があっても、バルク品ということになります。ちなみにCPU以外に、メモリやHDDなど他のパーツでもバルク品はあります。

自作パソコン初心者の方は、BOX製品のCPUを購入することをおすすめします。

「CPUの価格改定」や「新製品の発売」情報に注意

CPU購入の際は、近日中に「CPUの価格改定」や「新製品の発売」が行われないか? を確認することをおすすめします。価格コムなどの口コミ情報をチェックしたりすることで、調べることができると思います。

CPUの価格改定とは、四半期(しはんき)ごとに見直される、製品の価格変更のこと。「四半期(しはんき)」(クォーター)とは、一年を3か月単位の四分の一に分けたもので、年の初めから順に第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期と呼びます。「Q1(1~3月)、Q2(4~6月)、Q3(7~9月)、Q4(10~12月)」と表されることも。

また新製品の発売も、四半期ごとに行われることが多いようです。CPUの仕様書に「Q1」とあれば、第1四半期に発売されたという意味になります。

「CPUの価格改定」や「新製品の発売」があると、現行モデルや旧モデルの価格が値下がりするのが普通。なので、買った直後にこうした変更が行われて「しまった! もう少し待てばヨカッタ!!」などと後悔することのないように、CPU購入時期がちょうど四半期の変わり目の場合は、これらの情報がないかを特に念入りにチェックすることをおすすめします。

※もっとも近年では「CPUの価格改定」についてはあまり行われていないようで、情報が見つかりませんでした。

まとめ:上位モデルのCPUが「ベストの選択」とは限らない

コア/スレッド数と動作周波数については、上位モデルのCPUほど、コア/スレッド数が多く動作周波数も高い、というのが一般的です。ただし、その性能を十分に発揮できるかどうかは、ソフトウェアの対応にもよります。

複数コア/複数スレッドでの処理、すなわちマルチスレッド対応のソフトウェア(動画エンコード・動画編集・RAW現像・3Dレンダリングなど)では、コア/スレッド数の多い方が処理が早くなります。

一方、マルチスレッドに最適化されておらず比較的CPUの負担が軽い3Dゲームなどでは、コア/スレッド数はほぼ無関係で、動作周波数の高さが処理速度に影響する、といわれいます。

個人的には、CPUの機能・性能と予算のバランスを考えると、初心者には「Core i5」シリーズがおすすめかな? と思います。

では、次のページでは「マザーボードの選び方」について説明します。

最新インテルCPU 人気・おすすめピックアップ:

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Intel Core i7 7700K
( LGA1151 / 4.2GHz / 4コア:8スレッド / TDP 91W )
第7世代Core「Kaby Lake-S」採用CPU ※CPUクーラー別売
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Intel Core i5 7500
( LGA1151 / 3.4GHz / 4コア:4スレッド / TDP 65W )
第7世代Core「Kaby Lake-S」採用CPU
null
Intel Core i7 7700
( LGA1151 / 3.6GHz / 4コア:4スレッド / TDP 65W )
第7世代Core「Kaby Lake-S」採用CPU
null
Intel Core i7 6700K BOX
( LGA1151 / 4.0GHz / 4コア:8スレッド / TDP 91W )
第6世代Core「Skylake」採用CPU ※CPUクーラーは別売
null
Intel Core i7 6700 BOX
( LGA1151 / 3.4GHz / 4コア:8スレッド / TDP 91W )
第6世代Core「Skylake」採用CPU
ドスパラのCPUコーナーより(2017/02/06更新)
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